レコメンド&レポート

「都市と地方をかきまぜる」“食べる通信”の奇跡

November 1, 2016

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

11月になりだんだんと秋が深まり、 暑かった8月、9月の記憶も少し遠いものになってしまいました。

少し前のことになりますが、9月28日(水)に、日頃からお取引きさせていただいている株式会社リサーチアンドソリューション様と共同開催という形で、一般社団法人日本食べる通信リーグ 代表理事の高橋 博之様、株式会社代官山ワークス 代表取締役社長 丸山 孝明様をお招きして「社内講演会」が開催されました。

“食べる通信”について

まず”食べる通信”についてご存じない方にも概要をご紹介すると、
“世なおしは、食なおし。”のコンセプトのもと、2013年にNPO法人東北開墾を立ち上げた高橋氏が編集長をつとめる日本初の食べ物つき情報誌として『東北食べる通信』が発刊されました。

この”東北食べる通信”はすぐに全国のメディアで紹介され、話題に。その後2014年には一般社団法人「日本食べる通信リーグ」を創設し現在では全国36誌(2016年10月現在)にまで拡がっているそうです。

理念には

“生産者と消費者との絆を取り戻し、より良い未来を築くため、毎月1回、独自の哲学を持ち美味しい食べ物を作り続ける地域の生産者にフォーカスをあて、独自取材による情報誌と、彼らが収穫した生産物をセットで届ける会員制の食べ物付き情報誌です。”

とあります。

これらの活動が高く評価され、「東北食べる通信」は2014年度のグッドデザイン賞を受賞されました。
http://www.g-mark.org/award/describe/41840

161101_rec_00
これまでに発刊された「東北食べる通信」の表紙(2014グッドデザイン賞のウェブサイトより)


「東北食べる通信がデザインするもの」(2014グッドデザイン賞のウェブサイトより)

今回の講演は2部形式になっており、前半は高橋氏より都市と地方が抱える問題点と「東北食べる通信」立ち上げの経緯や、生産者と都会の消費者をつなぎ“都市と地方をかきまぜる”ビジネスモデルなどについての講演でした。

高橋氏からは「食べる通信リーグ」のビジネス的な側面とデザイン含め顧客へのアプローチの手法などを聞けるのかと思い講演を聞いていましたが、冒頭で高橋氏が口にした言葉は
「日本は現在、死と隣り合わせの生を感じることが出来なくなった暮らしを歩んでいます。」とひとこと。
そして、それを「リアリティの崩壊」と表現していました。

まさかいきなり「生と死」について考えることになるとは思ってもいなかったので少々びっくりしてしまいましたが、それを考えることが大きな意味になっており、ここからのお話がまた大変興味深いものでした。

「課題先進国」であり、アジアの一諸国である日本

高橋氏がちょうどこの日の講演の直前まで訪れていた台湾では、昨年出版された著書『だから、ぼくは農家をスターにする』が好評で、農家からの関心が非常に高いそうです。

実際に台湾の出版社から直接オファーを受けての渡航だそうで、その経緯が「食べる通信」のサイトでも台湾訪問のコラムとして掲載されています。(すばらしい記事なのでぜひご一読を。)
きれいごとは、国境を越える〜台湾訪問記3日目〜

というのも、台湾は高度経済成長の末 日本が直面している状況とよく似ていて、少子高齢化、過疎化、担い手不足、外国人労働者問題etc…
農業に関わらず一次産業全体がこの状況に直面しているようでした。

このような、国際的に前例にない課題を多く抱えている国を「課題先進国」というそうで、いわば日本はもう先進国とはいえ国際的に見れば「アジアの一諸国」に過ぎない日本の「課題先進地」は”田舎”であり、目指すべき背中のない状況で「自分たちがモデルになる」と断言していました。

このような状況で誰がイニシアティブをとるかとなったときに、本来政治家がその役割を担いますが過去に岩手県の議会議員を勤めていた経験のある高橋氏は、まさに政治という枠組みを超えて国の課題に取りくんでいこうという、高橋氏の強い志が見えた気がしました。

「食べる通信」「太陽のマルシェ」など、事例からみる”デザイン”の手法

第2部では、代官山ワークスの丸山様に加えリサーチアンドソリューションの美濃部社長様も聞き手として参加し、3人でのパネルディスカッション形式でのトークが行われました。

「食べる通信」の活動と、「太陽のマルシェ」をはじめとする”食”のマーケットの企画。
これらをデザインの面から紐解いていくと、「モノ」としてのデザインが施されているのは「食べる通信」で言えば雑誌そのもの、その他は「生産者と生活者」がつながるため、人が動くためのきっかけをつくっているだけと言っていたのが印象的でした。

近年、das.では食品関係のプロモーションなども積極的に取り組ませていただいています。
表層に見えるデザインの”見た目”のことばかり気にしてしまいがちですが、その裏側にある”つくり手”のことにいかに目を向けて、その”想い”の部分までをどうやって方法として落とし込むか。

それこそが重要なのだと、強く思わされるよい機会になりました。

 

高橋氏の最新の著書は”都市と地方をかきまぜる~「食べる通信」の奇跡~”です

都市と地方をかきまぜる~「食べる通信」の奇跡~ (光文社新書)
光文社 (2016-09-16)
売り上げランキング: 1,516

 

直近になりますが、11月3日(木・祝)に新潟の柏崎でも、高橋氏を講師に迎えたイベント 「地方発!ソーシャルビジネス最前線」が開催されるようです。

161101_rec_01

(以下、イベントページより)
11月3日(木・祝)に「かしわざき市民活動センターまちから」にて「東北食べる通信」編集長の高橋博之さんをゲストにお招きし、今地方で成果をあげているソーシャルビジネスの潮流を学びます。

また、柏崎でソーシャルビジネスの取り組みを始めた若者も登場! 柏崎での実践現場での声を聞きながら、これからの社会、地域の課題をいかに解決していくかを考えていきます。 地域現場で課題解決に取り組んでおられる方のご参加をお待ちしています!
≫詳細はこちら

興味を持たれた方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

↓参加申込はこちらから
https://goo.gl/forms/e9tz9h7uwl4KrFhh1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ライター紹介

INOUE.T

デザイナー

--

お気軽にお問い合わせください。
ご質問やご相談を承ります。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

メールマガジン登録
バックナンバーへ

最新の制作事例や季節のトピックス、デザイナーのつぶやきなど、das.ならではの情報をお届けします。
なお、メールアドレス入力前に「個人情報の取り扱いについて」をご覧ください。
ここでご入力いただきましたeメールアドレスは、メールマガジン配信のためだけに使用いたします。

follow us
google+