フリートーク

生活者観測データを活用して、日本の未来をマクロに考えてみる。

December 2, 2016

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先日、ふとあるニュースが気にかかりました。

「趣味・遊び」より「睡眠・休息」に力を入れたい / 女性のやめたいこと1位は「仕事・会社」
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/34664

そんな言葉が突然目に入り、一体、どういうこと?と思い調べてみたところ、
これらの結果は、博報堂生活総合研究所が1992年から隔年で実施している生活者の意識調査で、全国の20~69歳 男⼥3,900人に調査した結果を生活者視点で分析し、まとめた<2017年 生活気分調査>というものらしいということが分かりました。

また、これらの統計データを閲覧できるウェブサイト「生活定点1992-2016」なるものがあり、このサイトを制作したのは、今や各メディアで引っ張りだこの猪子寿之率いるチームラボ。

チームラボのウェブサイトによると

性別や年代・地域別に、回答差の大きい項目を「まとめ見」できる新機能を追加。2014年版から引き続き、回答同士の相関度が高い項目がわかる「似てるかもグラフ」、グラフの形からデータを探す「逆引き」、グラフの推移を「自動で解説」するテキストも2016年版にアップデートしました。

とあります。

http://www.team-lab.com/seikatsu-teiten-2016

2014年度版から引き続きチームラボが制作しているとのことで、恥ずかしながら2014年度版の「生活定点」サイトを見たことがなかった私は、このサイトから得られる情報に大きな価値があるということに今頃気が付いたのです。

 

生活者の定義

“生活者”という言葉は自分で使うことがあまりないので、改めてその言葉の意味を調べてみました。

社会という相互作用の場に存在する人間を指し示す言葉で、経済学の分野では、1940年代から大熊信行が使用している。

マーケティングにおいて、商品やサービスをただ消費する単位として、消費者と言うのに対し、販売促進のターゲットを生活者とみると、そのアプローチの方法やイメージ、アイデアなども大きな広がりを持つようになる。

顧客、消費者より幅広い概念として用いられる。

wikipediaより引用

 

また、同ページの 天野正子「『生活者』とは誰か」によると、

生活の基本が「自己生産であることを自覚しているもの」であり、「時間と金銭における必要と自由を設定し、つねに識別し、あくまで必要を守りながら」、大衆消費社会の「営利主義的戦略の対象としての、消費者であることをみずから最低限にとどめよう」とする人びと

とあります。

文面でみるとなかなか難しいですが、

自分が消費社会の真っ只中で生きていることを自覚していて、自分なりの考えを持って節約したり、またあるときは自ら奮発してお金を使ったり、、

大人も子どもも、生きる上で意思を持って他者との関わりがある人はみな「生活者」と考えました。

 

2017年の生活気分から、トレンドを考えてみる

2017年のトレンドと予測されている「趣味・遊び」より「睡眠・休息」に力を入れたい、ということを考えてみると、今の世の中は確かに「自分の身体」への関心が高いように感じます。

若年層もアクティブに海外旅行へ行ったり、自分の車でドライブに出かけたりするよりも、健康のためにランニングをしたりジムに行ったり、食事については近年どこに行ってもオーガニック・無添加食品が多く目に付くようになりました。
睡眠にいたっては自分専用のまくらをオーダーメイドできる店舗があったりと、言われてみれば確かに、という実感があります。

でも、いざこのサイトでグラフを調べてみると意外な結果が。

ここ2年で自然食品が増えているイメージはあっても実際にはさほど大きな変化はなく、女性の年代別でみると女性の60代のみ大きく伸びていて、それ以外の世代の差はゆるやかです。

161130_fre_02

 

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この結果から導きだせる仮説として、意識としてはどの世代も自分の身体に気を遣ってオーガニックな食事を気にしているが、実践できているのは60代の女性が多い、ということになります。

60代以上のシニア向けにもっと積極的にアプローチしていくべき!というような提案に使えそうですね。笑

2017年は、若年層もシニアもテーマは「自分の身体と対峙して、負担をかけない健康な生活を」といった感じでしょうか。

 

データから抜け落ちる人間の“本質”

生活定点のサイトでは、質問内容のカテゴリー・集計結果のグラフの形・アンケート対象者の属性などからデータを検索できるのですが、ここ数年の日本のムードが顕著に現れていると感じたのは、「ここ2年で最も下降」したグラフです。

161130_fre_04

下記は「ネットショッピングを主にパソコンで利用する」というグラフですが、
全体的に見ても2010年を境にみるみる比率が下がっています。

161130_fre_01

これはメディア全体に言えることで雑誌やTVはどんどん下降傾向にある反面、インターネットを利用したメディアはじわりじわりと比率を上げています。
首都圏と阪神圏での調査しかしていないのですが、いまや日本全国どこでもインターネットのインフラは整っているので、この部分は地域的な格差は考えにくいと思います。

 

実は私、近年スマートフォンで買い物をした記憶がありません。

なぜなら私はスマートフォンの使用用途の大半がメールの確認やLINE、Twitter、FacebookなどのSNSの利用で、
例えSNSから自分が欲しいと思った商品にリンクしたとしても、普段から操作に慣れていて個人情報の入力も煩わしくないPCから購入した方が遙かに楽なのです。

なので欲しいものがある時はスマートフォンのメモやSNSでのお気に入りなどをしておいて、後でPCから購入する、というのがほとんど。
もちろんメモしたままで購入しないものもありますが、それはそれほど欲しくないものだったということです。

私がスマートフォンを購入したのは2010年なのですが、これだけPCでのネットショッピングの比率がスマートフォンに奪われてきている時代で、ましてや1日中インターネットの中にいても、こんな人間もいたりします。


データの活用は多方面で役立つと思いますが、
マクロで見たおおまかな結果から、自分を含め抜け落ちたミクロな真実を拾う。

そんな、パーセンテージだけでは見えてこない人間の“本質”にも目を向けていきたいです。

 

ちなみに、私の2017年力を入れていきたいことは「家事」です。

これは健康や未来への投資とも繫がるのですが、料理・洗濯・掃除から○○を買うなら○○を基準に選ぶ、だとかちょっとした生活の知恵まで大きな意味での「家事」です。
この先ますます高齢化が進んだ社会で必要となるのは介護のサービスや場所はもちろんなのですが、その時代に突入した際に、まだ現役で働ける人たちの家事能力がいかに発揮できるかではないかと思うのです。

「生活」というものは毎日の家事のルーティーンであるということを強く意識しての結論ですが、みなさんの2017年の生活気分はいかがでしょうか。

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