カタ山ログ子は悩んでいた。
ログ子の勤務するのは、建材を扱う大手メーカーM。
Mの主な顧客は住宅メーカー、工務店など。
これら顧客は、M社が毎年発行するカタログを見て建装材を注文する。
カタログによる売上金額は、M社の全売上の約70%。
しかし、この数字は年々減っている。
さまざまな原因が考えられるが、「まずはカタログをなんとかしろ!」のお達しを受けて、カタログ担当に抜擢されたのが、入社5年目のカタ山ログ子なのであった……。
悩めるログ子の前に、一人の男が現れた。
悩めるログ子を見かねた先輩社員が、どこからか連れてきた、「やたらカタログに詳しい」CATALOG LOVER、自称カタログ博士、その人であった…。
カタログ博士:カタログをリニューアルするって聞いたんだけど。
ログ子:はい、そうなんです。
前任者に聞いたら、廃番の商品と新商品を入れ替えて、あとは価格とか変更点だけ直せばいいって…。
でも、それでいいんでしょうか…。
カタログ博士:もちろんダメ~!!
このカタログのイケてなさは、何も考えず前回の焼き直しを何年も続けてきたことにあるんですよ!
お客様のニーズや世の中の変化を受けて、カタログは変わっていくべきなんです。
ログ子:そういえば、この表紙、いつの? って感じですよね…。
カタログ博士:
ところで、ログ子さん。カタログは何のためにあると思います?
ログ子:えっと、当社の商品を知ってもらうことですかね。
カタログ博士:う~ん、それもあるよね。でも、それだけじゃ十分とは言えないな。
最近、カタログからの注文が減っていると聞いたけど…。
ログ子:そっか、注文をしてもらって当社の商品が売れること、ですね。
カタログ博士:そのとおり!
カタログを作ること自体が目的になってしまうと、「前年の焼き直しで簡単にすませよう」という発想になってしまうでしょ。
カタログ博士:
「カタログの目的は売上を上げること」という基本に立ち返って、どのようなカタログを作るべきかを考えなければいけないんですよ!
ログ子:そうなんですね!
でも、どこからどう直したらいいんでしょう。
カタログ博士:まず、今のカタログの何がいけないか考えてみましょうか。
ログ子さん、このカタログをぱっと見てどう思う?
ログ子:えっと、まず、ダサくて見る気になれない、アイテム数が多すぎて見たい商品が探しづらい、写真がひどすぎ、デザインがごちゃごちゃしていて見づらい、コピーも何がいいたいのかよくわからないし、いったい誰に向けて発信しているのかわからない。
それから、とにかく重い!今どき紙のカタログってどうなんですか?
あと、一番びっくりなのが、カタログのコストって結構するんですよ!
カタログ博士:なるほど、つっこみどころ満載ですね~。
一つひとつ、その原因と解決法を考えてみましょうか。
(次回に続く)