カタログ博士:
前回、ログ子さんは今のカタログを「見る気になれない」と言っていましたが、それはどうして?
ログ子:なんだかワクワク感がないんですよね。
自宅に届く通販カタログは、一見ファッション雑誌かと思うくらいおしゃれで、これ欲しいな!と思うものがたくさんあるんだけど。
でも、うちのカタログはBtoCじゃなくてBtoBだから、ファッション雑誌みたいである必要はないですもんね。
カタログ博士:それはどうかな。
カタログ博士:
確かにBtoCではないけど、楽しげであることは大事だと思いますよ。
カタログ博士:カタログの目的は「売上を上げること」だと前回も言いましたが、カタログから注文をしてもらうには、まずカタログを開いてもらわなければならない。
他にも競合他社のカタログが並んでいる中で、真っ先に手にとってもらうためには、背表紙から魅力的でなければならない。
もっと言えば、カタログが送られる封筒や箱の段階から「楽しそうだな、空けてみよう!」と思ってもらえるような工夫をしなければならないんです。
ログ子:そういえば、うちのカタログって、営業さんが直接渡すか、普通の段ボール箱で送ってますね。
BtoCの通販カタログは、段ボールからして色や模様が印刷されていてどこのカタログかってすぐわかるし、楽しそうで開けたくなりますね。
カタログ博士:パッケージから出してもらって、ページを開いてもらって、ようやくカタログがカタログとして機能するんです。
カタログ博士:
ところでログ子さん、このカタログをめくったときの第一印象はどうですか?
ログ子:うーん、自社の製品とはいえ、建築資材って地味じゃないですか。ぱっと見、去年と何がどう違うかもわからないし。
カタログ博士:じゃあ、こっちのカタログはどう思う?
ログ子:あ、これは、最初にオシャレな建築事例やインテリア事例があって、なんだかイメージが膨らみますね!
この素材、こんなふうに使うんだってわかります。
カタログ博士:
物事は最初が肝心。カタログも同じなんです。
冒頭の数ページで、今年のトレンド、イチオシ商品など紹介して読者をひきつける。そういう“前つけ”ページを入れることで、当社が他社と何が違うか、何が魅力か、コンセプトやメッセージを伝えるんです。
カタログ博士:機能や値段だけで物を買う顧客もいますが、企業の発するメッセージに共感して物を買う顧客もいます。前つけページは、似た商品がたくさんある中で当社の商品を選んでもらうための、ファンづくりの場でもあるんですよ。
(次回に続く)
<今回のポイント>
・BtoBでもワクワク感は大事!
・背表紙にも手を抜かない!
・郵送のパッケージからわくわく感は始まっている!
・“前つけ”ページでユーザーの心をつかめ!
<今回のワード> BtoB、BtoC とは
BtoBは、Business to Business、企業間の商取引、あるいは、企業が企業向けに行う事業のことをいいます。
BtoCは、Business to Customer、企業と個人(消費者)間の商取引、あるいは、企業が個人向けに行う事業のことを言います。
カタログで言えば、商社などがディーラー向けに作るのはBtoBカタログ、メーカーが消費者向けに作るのはBtoCカタログということになります。