カタログなど印刷物に使われる用紙の「サイズ・種類・厚さ」について、基本的なことを説明していきます。
用紙のサイズ
用紙のサイズは一般的に「四六(しろく)判」「菊判」「A判」「B判」があります。
印刷機や印刷の仕様によって使用するサイズが変わります。
「四六判」が印刷業界では最も一般的なサイズですが、カタログなどでよく見るサイズは「A判」が多いですね。
「四六判」はB判よりひとまわり大きく、「菊判」はA判よりひとまわり大きくなっています。
印刷機での印刷は大きな用紙に面付けをして行います。それは1枚ものの印刷物だけではなくページのある本やカタログの場合も同じで、大きな用紙に4ページ、8ページ、16ページのいずれかで面付けをします。
面付けした時に冊子の端までインクがのっているデザインだと断裁で白い部分が出ないように塗り足し(下図黄色の部分)をします。この塗り足し分の用紙が大きくないといけないので、一回り大きいサイズを使うことになります。
用紙の種類
用紙の表面に塗料を塗布して白色度やインクの乗りなどを高めたものが「塗工紙」です。
塗工紙は、塗料の塗布量とベースになる紙の種類によって分類されます。
光沢を出した用紙は写真中心とした印刷に適しており、一般的には塗布量の違いにより「コート紙」や「アート紙」と呼ばれています。
光沢を抑えた用紙は文字中心の印刷に適しており、一般的には「マットコート紙」と呼ばれます。
塗料が塗布されておらず、原料を化学パルプ100%にて製造された用紙が「上質紙」になります。
その他にも用紙の種類は数千種類もあるといわれています。各メーカーによりいろいろな銘柄があり、白かったり、青みがかかっていたりとメーカーにより様々な特性があります。
用紙の厚さ
用紙の厚みは用紙の重さで判断します。用紙の重さは一般的に1,000枚単位で重さを表記する連量になり、連量が重くなれば用紙が厚くなるということになります。
たとえばA判44.5kgという重さですと、A全判の用紙1,000枚の重さが44.5kgということになります。
しかし、同じ用紙の重さでも仕上がったカタログの厚みが変わることもあります。
下のカタログは左も右も「A判 24.5kg」という用紙を使用しています。
・左:本文1208ページ、厚み30mm
・右:本文1216ページ、厚み26mm
左側の方が8ページ少ないのに4mmも厚みに差が出ています。
これは用紙を漉く目の粗さが違うのです。
・左:目が粗く 軽いが厚い
・右:目が細かく 薄いが重い
という訳です。
また、用紙は重さや種類も含め需要の多い用紙の方が値段も安くなります。たくさん使われる種類や重さは大量に生産されるため安価で提供できるためです。
ですので、一概に薄いから安いとか光沢があるから高いという具合にはならないのです。
こうした多様な種類や特性のある用紙の中から、コストや色の再現性、表現力などを考慮して、仕上がりに最善な用紙を選び提案しています。
HIROTA.T
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