突然、自社のカタログのリニューアルを命じられた、カタ山ログ子。さて、何から手をつけたらいいのやら。
厚さ4センチ、ずしりと重いカタログをパラリパラリとめくりながら、ログ子の苦悩は続くのであった…。
カタログ博士:ログ子さん、どんなカタログを作ればいいかイメージはわきましたか?
ログ子:え~と、それが…。
前回で、カタログの一番の目的は「売り上げを上げること」で、コンセプトやメッセージを伝える“前つけ”ページを入れると効果的、ということはわかったんですが、肝心の商品ページをどう作ったらいいのかわからなくて。
お客様に、数万点もある商品の中から買いたい商品を見つけて注文してもらうためには、もうちょっと見やすくないとダメだと思うんですけど。
カタログ博士:
なるほど、ログ子さん、いいことに気づきましたね。カタログづくりで一番大事なことは、実は「検索性」なんですよ。
ログ子:検索性?
カタログ博士:そう。「検索性」とは、目指すものにどれだけ早く行きつけるかということ。検索性の高いカタログが、優れたカタログということになるんです。
ログ子:なるほど! じゃあどうやったら検索性が高くなるんですか?
カタログ博士:ログ子さん、たとえば、ここにオフィス用品カタログがありますが、その中から、「赤ペンはなまるくん」が掲載されているページを探そうと思ったらどうしますか?
ログ子:そうですね~。薄っぺらいカタログならパラパラめくっても探せるけど、これだけ分厚いと……。巻末の50音順の索引で調べるとか?
カタログ博士:もし商品名がわからなかったら?
ログ子:そっか、正式な商品名がわからないと、索引では調べられないですね。品番がわかれば品番から調べるかな……。品番もわからなければ、目次から……、あ、目次は「文房具」とか「ペン」とか、カテゴリ別になっていますね。これなら見つけやすい!
カタログ博士:よく気づきましたね。ユーザーによって商品の探し方は違うから、多くのカタログは、索引や目次(以下インデックス)など、いろいろな調べ方ができるようになっているんですよ。
50音順や、品番別のほかにも、価格帯、メーカー名、ブランド名など、いろいろなパターンのインデックスがあります。
ターゲットとしているユーザーが、どんな検索の仕方をするかを想定して、そのユーザーが使いやすいインデックスを作ることが、検索性を高めるためには大事なんです!
カタログ博士:インデックスというと文字がずらっと並んだものをイメージするかもしれませんが、こんなふうに、写真を並べて一目で調べたいものがどこにあるかがわかるビジュアル型のインデックスもあります。
これなら、商品名や品番を知らなくても、ぱっと探せますよね。ただ、文字だけのインデックスに比べてページ数がかさむのが欠点ですが。
ログ子:へえ~。インデックスってこんなにいろいろあるんですね。
カタログ博士:ところで、ログ子さんの会社のカタログのインデックスはどうなっていますか?
ログ子:え~と、品番ごとのインデックスしかないです!“EB001-11”と言われても、なんだかわからない!
カタログ博士:確かに、商品のことをよく知らない人にとっては、品番だけでなく、商品名の50音順やジャンル別のインデックス、ビジュアル型のインデックスがあった方が親切ですよね。
でも、品番だけ見ればわかる専門家だけを対象としたカタログなら、50音順やジャンル別のインデックスはむしろ無駄かもしれません。ページ数が増えると予算も余分にかかりますからね。
ログ子:そうか、だから、ユーザーがどんなふうにカタログを使うかイメージするのが大事なんですね!
(次回に続く)