カタログ博士:ログ子さん、ここに並んでいるカタログの、カタログならではの共通点は何だと思いますか?
ログ子:え~と、分厚い、重い……、あ!
全部ページの端に、ジャンル名が入っていますね!
カタログ博士:そのとおり! 柱とか、ツメと呼ばれているものです。これも、カタログの検索性を高めるためにはなくてはならないものなんですよ。
ログ子:なるほど! インデックスを見なくても、ツメの部分を見ればどの辺にどのジャンルが載っているのかわかりますね。あ、よく見ると、インデックスの色と、ツメの色は連動していますね。
カタログ博士:いいところに気づきましたね。検索性の高いカタログを作るためには、インデックスが大事だということはこれまでも話してきましたけど、せっかくいいインデックスができても、それだけではまだ足りない。インデックスをどういう形で見せたら、探しているものにより早く到達できるか考えないといけないんです。
ツメと索引を連動させて、直感的に検索できる方法は、その中でも代表的なものなんです。
ログ子:なるほど~! よく見ると、ツメはジャンルごとに色が違いますね。さらに、自分が今見ているページが、どのジャンルのどこに属するのかがわかるように、大項目、中項目の両方が、色で示されていますね。これなら、「何を調べていたんだっけ?」と迷うことがないですね。
カタログ博士:それは、カタログ制作者がそこまで考えて設計しているからなんですよ。大項目しか載っていない、小項目しか載っていないカタログも世の中には存在します。使ってみるとわかるけど、それだと目的の商品に到達するまでに、何度もページをめくらないといけないんです。
ログ子:各社でいろいろ工夫されているんですね。
カタログ博士:そうなんです。ツメは、検索性の要だから、各社の知恵を絞っています。
このカタログを見てください
ログ子:あ! 前つけ部分のページの紙幅が、商品ページの紙幅より少し短いですね。
カタログ博士:そのとおり。このために、ツメの部分がページにうもれずにすぐ開くようになっているんです。
カタログ博士:インデックスとは少し話がずれますが、アイコンも、検索性アップに役だっているんですよ。
たとえば、このカタログ。商品のところどころに、「LOOK」というアイコンがあるのがわかりますか?
これは、関連商品はこのページにありますよ、というのを示す“誘導アイコン”です。誘導アイコンのおかげで、ユーザーは、関連製品を一から検索し直すという手間を省くことができるんですよ。
ログ子:確かに!
カタログ博士:誘導アイコンには、もう一つ利点があります。限られたページ数の中でなるべく多くの商品を紹介するためには、同じ商品を別のページにもう一度載せるといった無駄はなるべく避けたい。誘導アイコンがあれば、関連商品をもう一度掲載しなくても、誘導先のページを見ればよく、省スペースになるんです。
ログ子:なるほど! 今まで何気なくカタログを見ていたけど、作り手の心遣いがそこかしこに隠れているんですね! なんだか感動!
カタログ博士:ログ子さんも、ユーザーが思わず泣けるような、工夫あふれるカタログをぜひ作ってくださいね。
(次回に続く)