――スケジュール表はできたが、制作にかかるまでには、まだまだしなければならないことがある。
さて、ログ子がいま、とりかかるべき作業とは!?
博士:ログ子さん、前回のスケジュールの時に、「台割を作る」という話をしたかと思いますが、覚えていますか?
ログ子:えっと、本を作るときの設計図のようなもの、でしたよね。
博士:そうです。台割とは、何ページにどんな内容を入れるかがわかる一覧表のこと。これなくしてカタログを作ることは不可能!というほど大事なものです。
ログ子:でも、1,000ページものページの中身を全部割り振るなんて私には無理!!
博士:細かくページ配分を考えるのは、ログ子さんには無理ですよ。そこは、ベテランのカタログ制作者たちに任せればいいんです。
ログ子さんがしなければならないのは、掲載したい従来品、新製品のそれぞれのおおよその点数を把握すること。そして、それぞれの製品のウエートづけをすることですね。
ログ子:ウエート付け?
博士:そうです。たとえば、イチオシの新製品は、1ページまるまる使って紹介したい、とか、定番の従来品は、4分の1ページで紹介すれば十分、とか、製品ごとにどれだけのスペースを使いたいかを一覧にするのです。
商品点数と、それぞれのウエートがわかれば、商品紹介ページに何ページが必要かを割り出すことができ、目次や索引に必要なページ数の見当もつきます。これらは、カタログに絶対必要なページ数です。
絶対に必要なページ数がわかれば、総ページ数から差し引いて、特集やコラムなどにどれだけのページが使えるかもわかってきます。
ログ子:なるほど、なんだかパズルみたいですね。
博士:そうかもしれませんね。
掲載したい内容を、総ページ数内に、ぴったりおさめるのは至難のわざ。
台割なしに成りゆきで作ると、どんどんページが増えたり、大事な内容が抜けてしまったり、中途半端なページ数になったりしてしまいます。だから、台割を最初に作ることが大事なんですよ。
ログ子:総ページ数ってどうやって出すのですか?
博士:まず、商品点数と予算との兼ね合いで決まります。また、印刷物は、紙の大きさの都合で、たいてい4の倍数と決まっています(8の倍数、16の倍数が望ましい)。これらの要素で、総ページ数はおのずと決まってくるのです。
ログ子:なるほど!!!
博士:台割は、進捗管理をする時に便利です。全ページが一望できるので、どのページが仕上がったか、どのページはまだできていないかが、ひと目でわかるんです。
ログ子:台割ってすごいんですね! さっそく商品点数確認しなくっちゃ!!
(次回に続く)