――原稿や写真などの素材が揃って制作会社に渡すと、デザイナーがページ制作にとりかかります。
デザインができると「初校」という出力紙が提出されます。
さて、制作会社から初校を受け取ったログ子さん、どうしたらいいのでしょうか?
ログ子:あの原稿と写真がレイアウトされるとこんなふうになるんですね!
なんだか感慨深いですね~。
博士:感心しているだけじゃダメですよ。ちゃんと校正をしないと。
ログ子:校正?
博士:そうです。刷り上がったものに間違いがないかチェックをして、修正してほしいところには赤字を入れてデザイナーさんに戻し、修正をしてもらわなければなりません。
ログ子:そうなんですね!
博士:まず、各部署の担当者に担当ページの初校を渡して校正をし、赤字を入れたものを戻してもらいます。各部署からばらばらに来た赤字をそのままデザイナーさんに戻すと混乱しますから、最終的に1つの校正紙に集約してからデザイナーさんに渡します。
ログ子:なるほど!
博士:当然ですが、赤字は丁寧に書くこと。字が汚くて、どう直したらいいのかわからないような校正紙がもどってきたらデザイナーさんは混乱するし、直し間違いも発生してしまいます。
ログ子:き、気をつけます!
博士:校正記号もプロの校正者のようにすべての記号を知る必要はないですが、よく使うものだけでも覚えておきましょう。
「校正記号の使い方 第2版」日本エディタースクール編
ログ子:こういう記号を知っていると、長々と指示を書かなくてよくて便利ですね。
ところで、校正では何を見たらいいんですか?
博士:校正で見なければならないのは、商品の説明文はもちろん、スペック、タイトル番号、目次とページ数が合っているか、写真キャプション(写真の解説文)が合っているか、商品名と商品説明、スペックが合っているか、など、すみずみまで目を通すこと。
全く同じ説明文が別の製品のところに入っているというのはありがちなミス。また、同じ商品が2回も重複して載っているということもたまにあるので気をつけて。
ログ子:なるほど。文章の誤字脱字を見るだけじゃあないということですね。上手な校正のポイントってあるんですか?
博士:そうですね、「あらさがし」のマインドをもって紙面をくまなく見ることでしょうか。「絶対に間違いがあるはず」という意地悪な目で見ることがポイントです。そうでないと、案外見過ごしてしまうんです。
カタログで、注文番号や価格やサイズなどのスペックを間違えるなんて絶対にあってはならないこと。発注の機会損失になりますし、クレームや返品などのトラブルの原因にもなりますからね。
ログ子:怖くなってきました…。
博士:だから、複数の人の目で確認することが大事です。
校正は1回で終わるとはまずありません。再校(2回目の校正)、3校(3回目の校正)、そして念のための念校まで、4回行うことが多いですが、実際にはもっと何度もやっているというのが現実です。もちろん、そんなに何回もしないのが理想ですが…。
校正のときには、第13回で言った“用語統一表”が役立ちます。同じカタログの中に「コンピューター」と「コンピュータ」、「パソコン」と「PC」のようにいろいろな表現が混在することのないように、用語統一表を活用してくださいね。
(次回に続く)