デザイン

欧文レイアウトの基礎、3つのテーマ

April 3, 2019

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das.新潟オフィスアートディレクターの安達です。

最近携わる仕事の中で、「欧文」を使った文字組みのデザインの機会が多くなってきました。

和文と比べて文字の種類が少なく、漢字とひらがな、カタカナなど形の違う文字の組み合わせもないため、一見単純そうに見える欧文の組版ですが、シンプルな構造であるが故に非常に奥深さがあります。

少し前のお話になりますが、2019117日に東京都千代田区で開催された株式会社バンフー主催のセミナー「実務に役立つ英文組版 Part3」に参加し、講師のエディトリアルデザイナー/欧文組版コンサルタントのコン トヨコさんから欧文組版で活用する基本的知識や本文書体の選び方・使い方を教えていただきました。

欧文組版の考え方だけではなく、実用的に使えるテクニックをたくさんご教示いただき、とても充実した講義を受けることができました。

今回はその中でも「知っておいてよかった!」と思えるような、欧文組版の3つのテーマに関して紹介します。

1.欧文組版と和文組版の考え方の違い

普段和文で文章を組む際、文字は「仮想ボディ」と呼ばれる文字の全角における正方形の枠で1文字ずつ順番に配置されます。これに対し欧文は、単語と単語の間に半角スペースを設けているため、アルファベットを1文字ずつ配置するというよりは、単語を一つのかたまりとして文書を組み上げていきます。単語と単語のアキ(これを「ワードスペース」と言います)をいかに美しく保てるかどうかが重要なのです。

 

欧文組版の世界では文字間隔のことを「レタースペース」と呼びますが、レタースペースを意図的に開いてしまうと、ネイティブな外国の方から見るととても読みにくく、違和感を感じてしまうのだとか。

英字が1文字ずつ目に入るというのは、字の形が崩れた日本語を見ているのと同じ状態なのだそうです。

これは確かに、気持ち悪いですね。英語を飾り文字として使う場合は例外ですが、文章を読ませる上での欧文の組版では、字間は開かないのが基本です。

欧文書体にはペアカーニング情報と呼ばれるものが入っています。これはフォントデザイナーがフォントを作成する際に設定している、文字同士の細かなアキ設定であり、これを正しく活用することで、美しい文字間を見せることができるのです。

2.欧文を本文で組む時の書体の選び方

文章をいかに読みやすくするか、書体の選び方は最も重要な作業と言えます。書体の中には長文が読みやすいように設計された「本文書体」と、広告物や看板等のタイトル用に作られた「ディスプレイ書体」があります。本文に適した書体を選ぶために、下記の2点が大きなポイントとなります。

POINT1:レタースペースがきちんととれているか

冒頭で説明した欧文書体の文字間隔を指すレタースペースですが、書体によってレタースペースは様々。下記のAの書体(Helvetica)はレタースペースが狭く、本文を組むときつく狭い印象を受けますが、下記のBの書体(Univers)はレタースペースが自然にとられ、落ち着いて読みやすい印象があります。

本文を組む際は、レタースペースがある程度とられた書体を選ぶと、それだけで読みやすさは変わってきます。(どうしてもHelveticaを使って本文を組みたい!という場合は、キーボードのショートカットでレタースペースを調整し、読みやすく改善することもできます)

POINT2:Xハイトが高すぎていないか

アルファベットの小文字表記において「x」に代表される字で用いられる高さを「Xハイト」と呼びます。このXハイトが高すぎる書体は、文字全体の高さが一定に見えてしまい、本文書体としては不適切とされています。

本文書体では、書体のデザインだけではなく、文章としての読みやすさが重要となります。

下記は同じGaramondの書体ですが、画面下の書体Adobe Garamond Pro Regularは、大きく表示した際のコンマの位置や「i」の丸の高さのバランスが適正に設計されており、ディププレイ書体としてデザインされています。このように、同じ書体の中でも本文用、ディスプレイ用と分けてデザインされているものもあります。フォントデザイナーの書体に対する美の追求を感じますね。

3.欧文組版での時間表記

最後に、日常的によく使うであろう欧文組版での正しい時間表記についてご説明します。時間や西暦など期間を表現する場合は、数字と数字の間はハイフンではなく、「Enダッシュ」を使うのが原則です。よく使うシーンが多いため、知識として覚えておくととても便利です。

このセミナーを受けてみて、正しい文字組は和文にも欧文にも当たり前としてあり、目を向けるポイントはまったく違うということに気づきました。

自分が作ったデザインが海外に渡ったとき、外国の方にも「美しい」と思ってもらえるように、きちんとした欧文組版の知識を備えていきたいと思います。

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