レコメンド&レポート

新潟オフィスにて印刷用紙の勉強会を開催しました

May 14, 2019

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめまして。das.新潟オフィスの服部です。

先月4月23日(木)に、普段からdas.でもお世話になっている新潟の用紙卸売会社の田村紙商事様と、同じく県内の印刷会社であるエンジュ様、高級用紙やファンシーペーパーを中心に取り扱っている平和紙業様の3名の方にお越しいただき、印刷用紙の勉強会を開催しました。

今年で入社3年目となりましたが、まだ経験不足な面があり、どの紙が適しているか選定する上で迷ってしまう事があります。
デザインをする上で重要な要素となる印刷用紙ですが、今回はその特性について教えていただきました。

 

田村紙商事様「紙の三大機能」

最初の田村紙商事様の講義では、用紙を知る上での基礎知識となる「紙の三大機能」についてご紹介いただきました。

1. 記録する(ノート・ポスターなど)
2. 包む(包装紙・封筒・手提げ袋など)
3. 拭く(ティッシュ・トイレットペーパーなど)

田村紙商事様では、これら全ての特性を備えた用紙だけでなく、文房具のノベルティといった商品も網羅されているとの事でした。

普段からノベルティの提案等で大まかに特性を知っていたつもりでいたのですが、根本的な紙の機能については盲点だった事に気づきました。
特に3つ目の「拭く」用紙については知識や案件としての経験もほとんどない為、機会があればぜひお伺いしてお話を聞いてみたいです!

 

エンジュ様「データ入稿時における注意事項」

続いて印刷会社のエンジュ様の講義では、印刷機器の機能や違い、データ入稿についてのお話をしていただきました。
その中でも、データ入稿のお話の中でされていた「入稿時の不具合あるある」が大変興味深かったです。

  • 書体のアウトラインがされていない
  • 画像のリンク切れ

この2点は「Illustratorの生データ」状態で入稿された際に起きやすい問題です。
書体のアウトラインについてはロックによりチェック漏れをしている場合もある為、「フォント検索」での確認が重要です。

  • RGBデータでの入稿
  • 特色(DICなど)が入っている
  • トンボがアートボードのセンターに配置されていない
    (PDF作成時にずれる為、作業がしにくい)

こちらは前述のIllustratorだけでなく、PDF入稿においても起きやすい問題です。
特に「特色」においては印刷会社側で取り除く事が出来ず、無理やりCMYKに変換して進行した場合もエラーが起きやすい為、必ずプロセスカラーに置き換える必要があります。

  • スミベタ(K100%)の仕様について

また、印刷時には仕様として、ブラックをスミベタ(K100%)設定にした場合に、必ず背面の色が重なる設定(オーバープリント処理)になるとの事。
こちらは印刷時に起きる版の「見当ズレ」により、主に文字や細い線がズレて読みにくくなるのを防ぐ為だそうです。

書籍やパンフレットといった文字が中心となるものであれば問題ありませんが、重なりを避けたい場合は「K99%」にする等、数値をズラす事で回避が可能です。


スミベタ状態だと、いわゆる「乗算」に近い状態になり、背面の色が透けて見えます。

途中、印刷工程についてのお話があったのですが、これまで「校了(1日)→製版(1日)→印刷(1日)」と製版に時間をかけていたものが、短納期化によりその期間が少なくなり、校了から印刷までのスパンが短くなりつつあるのだとか。
そのため、以前よりもデータで不具合が起きた際に、後工程で影響が出やすくなったそうです。

上記の注意事項はどれも基本的な内容ではありますが、お互い負担をかけずにスムーズに進行できる様、改めて注意していく必要があると感じました。

 

平和紙業様「ファンシーペーパーの特性」

最後の平和紙業様の講義では、ピックアップされた用紙の特徴や、それにまつわる用語についてご紹介いただきました。

「嵩高※」と「緻密な美しさ」を両立した高級塗工印刷用紙。
※嵩高:空気を含んでいるため紙繊維の密度が低く、厚みがありながらも軽い状態。束にした際に厚みが出やすくめくりやすい等のメリットがあり、書籍以外にも幅広く用いられます。

従来まではその紙の特性から、印刷の均一性が低下すると言われていましたが、「カーテンコーター」と呼ばれる特別な塗工方法にする事で、ムラのない緻密な印刷を両立する事が可能となっています。

また、厚みの種類も豊富な為、表紙と本文で紙が統一できたりと、小回りが効きやすいのも特徴です。

名前の通り、赤ちゃんの肌の様な滑らかな肌合いをコンセプトとした用紙。
「Mr.B」と「Mrs.B」の子供をイメージしており、印刷再現性とコストパフォーマンスを両立しているのが特徴です。

余談になりますが、「Mr.B」「Mrs.B」はそれぞれ男性肌(グロス感)と女性肌(滑らかさ)をイメージしており、ポスター等の3mの距離で映える「Mr.B」、パンフレット等の30cmの距離で映える「Mrs.B」という例えもあるそうです。
こういった逸話を知る事で、より紙を選ぶ楽しみが増えますね!

こちらの2点は上記の用紙と比べて、特にコストパフォーマンスに優れた用紙です。
「グラディアCoC」は白系、「ガルバスCoC」はナチュラル系の色味となっており、イメージにより使い分けが可能となっています。

 


講義後は、実際に平和紙業様の用紙を使用した印刷物を見せていただきました。

見せていただいたものはパンフレットや図録、ノベルティと非常に幅広く、各用紙の印刷の乗り具合や、同じ用紙でも厚みや媒体で変化する印象の違いをより顕著に感じられました。
紙見本で比較する事は多いものの、実際に印刷された実物を見る機会は滅多になかった為、大変参考になりました。

これまで色味や質感中心で考えてしまったり、過去に使用した事のある用紙に偏ってしまう…という事が多かったのですが、この勉強会を通して紙を選定する際の視野を広げる事ができました。

今回学んだ知識や感覚を活かして、お客様が商品に触れた際に心地よさを感じられる用紙を選べる様、今後も勉強を続けたいと思います!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ライター紹介

HATTORI.N

デザイナー

--

お気軽にお問い合わせください。
ご質問やご相談を承ります。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

メールマガジン登録
バックナンバーへ

最新の制作事例や季節のトピックス、デザイナーのつぶやきなど、das.ならではの情報をお届けします。
なお、メールアドレス入力前に「個人情報の取り扱いについて」をご覧ください。
ここでご入力いただきましたeメールアドレスは、メールマガジン配信のためだけに使用いたします。

follow us