新潟オフィスの井上です。
弊社では今年の6月に組織変更を行い、「ビジネスデザイン部」(通称BD部)が新設されました。
ビジネスデザイン部では、企業向けの「VISION MANEGEMENT」というサービスやUXデザインを用いた提案をお客様に対して行っております。
9月19日(土)に新宿のビビビット セミナールームで開催された「UX MILK fest2019」に参加しました。
UX MILK festとは
「UX MILK fest」はその名の通りUXに関するテーマを中心に扱うウェブメディア「UX MILK」が運営するセミナーです。
とはいえ、今までUX MILKが主体となったセミナーはありましたが、ここまで大規模なイベントははじめての試みだったそうです。
UX MILK festのトップページにはこのような概要文があります。
“「UX」の解像度を上げ、UXデザインとの関わり方を考える日
「UX MILK Fest 2019」はデジタル業界におけるUXデザインに関わる人が共に考え、語り合い、つながるためのUXデザインフェスティバルです。「UXデザイン」はあくまで総称であり、噛み砕いていくと実に色々な領域や役割があります。私たちは実際のところどんなスキルを発揮して、どう「UX」と向き合っていけばよいのでしょうか?
キーノート、ミートアップ、ワークショップなどが入り混じった会場を歩き回って、UXデザインの現場を知り、関わる人と出会い、議論し、つながってください。
UXデザインの定義は幅広いです。だからこそ、一つの単語でさまざまな見解を持った、さまざまな職種の方が集まれます。お祭りのような楽しい雰囲気の中で、自分なりのUXデザインのヒントをつかめる一日になれば幸いです。”
既存の”制作・クリエイティブ”という文脈はありつつも、よりユーザー目線での提案をしていくために
そんな「UXデザイン」を、まずはもう少し自分の中で咀嚼してみようという気持ちで参加してきました。
会場の様子
会場のビビビットセミナールームに入ると、中央に大きなUX MILKパネルがお出迎え。
大きなフロアと2つのトークルーム、1つのワークショップ会場で構成されていました。
→当日のタイムテーブルはこちら
拝聴したセミナー
同じタイムラインで複数のセッションが進行するので、もちろん全部は聴けません。
聴きたいセッションに目星をつけて参加したので、いくつか感想とともにキーノートの内容も公開されていましたのでご紹介します。
ustwo London ltd 中村麻由さま
(少し抜けて作業をしなければならず…)途中からの拝聴になってしまったのですが、しょっぱなのセッションのustwoさんは特に興味のある企業でした。
というのも、私が所属しているビジネスデザイン部メンバーでこぞって聴いているPodCast、「Takram Cast」でustwo Londonが手がけるワークショップのレポートなどのドキュメントがとてもスタイリッシュだという話題があり、
調べてみてもなかなか情報がキャッチ出来なかったので一度お話しを聞いてみたいと思っていました。
イベントのテーマにもあるように、中村様のセッションの中でもよく“解像度”というワードが出てきたのですが、メンバーのポジションを”やること、つくるもの”ではなく“目的ベース”で考える。
そうすると、自ずとチームの解像度が上がるという内容のお話しがあったのですが、これはものすごく納得できる言葉でした。
仕事を案件ベースで考えずに、その先にあるもの、(自社にもお客様にも)もたらされる効果をベースに考えて仕事ができるのが理想だと考えていましたが、
それは“HCD(HumanCenteredDesign)の視点から、どう動けば良いのかを目的ベースで考えて動く”という言葉に表れているように思いました。
UXの手法にしても、日本のブログ記事などでは手法ベースで書かれているものが多い中、
UX MILKは考え方ベースで書かれているのでナイス!という太鼓判が押されていました。
ちゃっかりセッション終盤の質問で気になっていたustwoのワークショップについて聞いてみたところ、具体的な画としてワークのドキュメントは見れなかったものの、
何故スタイリッシュに見えるかというと、
中村様が所属していたustwo Londonは特に多国籍なメンバーで構成されていた為にものすごく情緒的な会話が交わされていたので、
言語の壁を越えるには色を派手に使ったり、レゴブロックを使ったりと視覚や触覚を使ったコミュニケーションを研ぎ澄まさなければいけない必要性があったから。
という事でした。
ustwoはゲーム事業も展開されていたりと、幅広い目線でユーザーの事をみているはずなのでどんなグラフィックのこだわりが聴けるかと楽しみにしていた私には、なんだか拍子抜けしてしまうような回答ですが、
それこそ“目的ベース”で必然的に生み出された手法なのだと納得できる講演でした。
その後に聴いたセッション
その他にもいくつかのセッション・ワークショップに参加したのですが、すべて紹介するのは困難なので
簡単なまとめと一緒に当日のスライドをご紹介します。
株式会社ユーザベース(SPEEDA) 平野友規さま
・UXの解像度で大切なこと=範囲と量
・全デザイナー全営業が一緒に考える、週1で全員参加のMTG 「SPEEDA JAM」
株式会社メルペイ 松薗 美帆さま
・ユーザビリティーテストをやるなら毎週実施!
・UXリサーチャーを置くメリットは、横断的に体験をみることができること。ひたすらお客様にとってこうあるべきと提言できる
・リサーチ部隊を自社に置くには外部のリサーチ会社に1度発注して設計をやってみるのが近道!
株式会社ベイジ 枌谷力さま/株式会社メンバーズ 三瓶亮さま
・マーケティングの定義はない。多様=いろんな方が定義している、時代によって変えている
・BtoBの購買観察はほぼ不可能。シャドウイングはできないので、自社セミナーに参加させてもらったり、一部から推測することが多い
・ダークな流入はデータでは掴めない。エクセルやslack、メッセンジャーで話題になるのはSNSをちゃんとやっているからこそ。
まとめ
最後になってしまいましたが、会場の様子がよく伝わる形でオーガナイザーの三瓶亮さんがイベントレポートとしてご紹介していました。
https://uxmilk.jp/83253
発信がだいぶ遅くなってしまったのですが、ウェブを中心としたデジタルの提案をはじめ、社内外へのUXの浸透という点でも
とても参考になったので、本当に参加してよかったと思うセミナーでした。
またこういった機会で得たインプットを即リリースできるよう速度を上げていきたいと思う次第です!
INOUE.T
デザイナー
--