こんにちは、編集デザイン部の井上です。
突然ですが、das.は本社の「東京オフィス」と「新潟オフィス」の2拠点を構えて運営しています。
では、新潟は新潟の案件を、東京は東京の案件だけを行っていると思いますか?
答えはもちろん「No」です。
das.が強みとしている1,000ページを超えるカタログ制作も含め、すべての業務は新潟・東京の場所にとらわれず、毎日の会議の中で分担されて制作進行・管理がされています。
常時TV会議システムを利用して打ち合わせが出来ますし、社内SNSを利用してどこからでも手軽にやりとりができます。
「地方でも、都心と同じように仕事ができる。」
インターネットが普及してから、当たり前になりました。
2014年現在まで「ノマド」「ソーシャルワーカー」など様々な言葉が生まれてきましたが、その状況はどこまで進化しているのでしょうか?
マガジンハウスの運営する「COLOCAL(コロカル)」は、いち早く地方の可能性に目をつけて、「日本のさまざまな場所とつながり、新しい日本の魅力を発見する」と銘打って2012年にはじまったウェブマガジンです。
全国各地の食や文化から地方で発行している雑誌の紹介まで、文字通り地方に注目したコンテンツが目白押しです。
http://colocal.jp/
当時から新潟という地方都市でウェブ制作の仕事をやっていくことに限界を感じていた私は、このサイトが公開されたときには正直やられた、、と思ってしまいました。
地方で当たり前になっている文化・起きている出来事は、都会の人々にとっては全く異文化の刺激として成り立っているからです。
最先端の技術や情報を追い求め続ける労力が必要不可欠なウェブ業界で、あえてローカルな視点に立ち返ったアプローチのウェブサイトは、その後も増え続けています。
2011年に起こった東日本大震災以降、わたしの身の回りでは友人知人含め様々なひとが地方での仕事に目を向けて、移住するひと・地方での新規開拓に参入するひとなどさまざまでした。
そんな頃に出会った、NPO法人グリーンズ理事、ソーシャルデザインのためのウェブマガジン「greenz.jp」 副編集長の小野裕之さんは東京にベースを置きながらも、東京という「場所」にこだわらず、自分たちの手で「社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する画期的な仕組みをつくること」を定義して活動してきました。
それから3年、greenz.jpはみるみるうちに規模が大きくなり、いまでは約100名のライターを抱え、月間読者は約20万人規模のメディアへと成長しました。
NPO法人グリーンズの運営するgreenz.jp。全国のライターから寄せられた記事が毎日2本のペースでアップされている。
2012年・2013年には、編集者の菅付雅信氏と綾女欣伸氏が主催する朝日出版社「アイデアインク」シリーズより、「ソーシャルデザイン」「日本をソーシャルデザインする」と二冊の本も出版されました。
http://greenz.jp/socialdesign/
—————————————————————————————————————— グリーンズが考える「ソーシャルデザイン」は、「社会的な課題の解決と同時に、新たな価値を創出する画期的な仕組みをつくること」です。振り返ってみれば、いつの時代にも大小さまざまな社会的な課題がありました。それを乗り越えてきた歴史の上に、今の私たちがあります。 「毎日ご飯を食べる」といったことから、「世界中好きな場所に移動できる」といったことまで、政治、教育、交通、医療などあらゆる分野において、私たちは先人たちの「ソーシャルデザイン」の恩恵を受けています。(「日本をソーシャルデザインする」本文より) ——————————————————————————————————————
一般的に、ウェブマガジンというメデイアは広告収入で運営されていますが、 greenz.jpにはあまり広告らしきものが見当たりません。では、具体的にどのようにして収益化を図っているのでしょうか?
たとえば、ご存じ「スターバックスコーヒー」では日本全国の店舗それぞれで 地域に根ざした独自のイベントとして、地元のアーティストによる展示会を行ったり、ミニライブを開いたり、「コミュニティコネクション」という名の活動を展開しているそうです。
グリーンズでは「5年後のコミュニティ活動を考えるワークショップ」として、2014年2月27日~28日の2日間を通してワークショップのファシリテーション含め、企画のサポートを行いました。
ワークショップのレポートはこちら ≫
“地域に開かれたスターバックス”を目指して!新しいコミュニティづくりのアイデアをグリーンズと一緒に考えてみました
このような、企業とタイアップしたワークショップなどの企画・支援による収益や、greenz peopleと呼ばれる個人会員からの会費などを中心にgreenz.jpは運営されています。
そんなグリーンズも、発足した2006年から「greenz.jp」の運営や、ワークショップとは別に、一時期は制作会社としてウェブ制作案件なども受注しながら現在の体制に変化して行ったそうです。
グリーンズの事例を元に、彼らの実践している「ソーシャルデザイン」について、組織の成り立ちについてさらに詳しく、小野さんへのインタビューを交えて考察していきたいと思います。
制作会社としての未来の在り方。地方で仕事をするということ。
そしてお堅いビジネスの話だけでなく、小野さんの人間性にまで踏み込んでいけたらと思います。
次回の更新をお楽しみに。
INOUE.T
デザイナー
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