うちの会社には「たまりバー」と呼ばれる一角があって、夜、仕事が終わった後にお酒を飲むことができる。
また、ワインセラーもあるので、僕は時々インターネットを通じてワインを買っては、その中に入れている。
そして、「今宵は、あのワインを飲んだら楽しいに違いない…」と思ったら、同僚に声をかけ、一緒に飲んでいる。
なお、ワインを飲む時、僕は講釈を垂れないことにしている。そのワインにまつわる面白い話があれば伝えることはしても、小難しいことは言わない。
それよりも、僕の好きなワインを一緒に飲んでもらい、楽しんでもらえたら嬉しい。
先日、日曜の午後、会社に顔を出したら3人の女性が黙々と仕事をしていたので、夜になり、仕事が一段落する頃を見計らって、「一緒にワインでも飲まない?」と声をかけてみた。
栓を抜いたのは、フランスのブルゴーニュ地方、シャンボール ミュジニーの村で作られた1994年の赤ワイン。
すでに20年の時を経たそれはとてもチャーミングで、色も、香りも、素晴らしかった。
また、グラスを傾けるにつれてほころんでいく彼女達の顔を見て、僕は幸せな気分になった。
そして、こんなふうにワインを飲むたびに、「今日という一日も、まんざら悪くなかったではないか」などと思う。