先日、デザイン会社や制作会社で働く人を対象にした、著作権の勉強会に参加させていただきました。
またその中で、著作権の体系や実務的な処理などについて学び、あらためてその大切さを知る事ができました。
なお、たくさんのテキストや画像、イラストなどを用いて総合カタログや商品カタログなどの制作物をお作りしている弊社にとっては、著作権への適切な対応はとても重要です。なぜならば、テキストや画像、イラストをはじめ、それらを組み合わせて配置した印刷物は、「著作権のかたまり」とも言うことができるからです。
今日は、先日の勉強会の中で一番印象に残ったこと=弊社のようなデザイン会社や制作会社が注意しなければならないことについてお話したいと思います。
それは、「フリー」という言葉を伴う著作物の利用です。
ここ数年、「フリー素材」とか「著作権フリー」という言葉を目にした(耳にした)ことのある方も多いのではないでしょうか。まさに、その「フリー」についてのお話です。
なお、「フリー」という言葉を辞書でひいてみると、おおむね以下のように書いてあります。
・自由。束縛や制約がないこと。
・無料。料金などを免除されること。
しかし、私たちが「フリー」という言葉を伴う著作物を利用して制作物をお作りする場合には、「何がフリーなのか?」を、注意深く確認しなければなりません。
たとえば…
- 紙媒体や電子媒体など、どのような媒体に利用しても良いという意味での「媒体フリー」なのか?
- 個人の楽しみとして利用するだけでなく、商用(営利目的)に利用しても良いという意味での「用途フリー」なのか?
- 複製をたくさん作り、世の中に広く配っても良いという意味での「複製フリー」なのか?
- 色を変えたり、大きさや形を変えたりしても良いという意味での「加工フリー」なのか?
- お金がかからないという意味での「料金フリー」なのか?
…などなど。
いずれにしても、この「フリー」という言葉を伴う著作物を利用する場合には、利用許諾(利用に関する約束事)を十分に読み、理解し、それを用いた制作物を実際にご利用になる方(要は、制作物のご依頼をくださったお客様)をも含めて周知徹底しなければなりません。
また、海外のWebサイトに登録されている「フリー素材」を利用する場合にも、注意が必要です。ただでさえ解りづらい利用許諾が英語などの外国語で書かれているため、十分に読み込み、理解する必要があります。
さらに、利用許諾がWebサイトに掲載されている場合には、それを紙に印刷し、自身の手元に残しておくことも重要です。利用する前に読んだ時には確かにそう書かれていたはずなのに、後日読み返してみたら内容が書き換えられていた…なんて恐れもあるからです。
世の中には「自由ほど難しいものはない…」なんて言い方がありますが、著作権についても同じことが言えるようです。