みんなさんはOculus Riftというヘッドマウントディスプレイをご存知ですか?
Oculus Riftは、バーチャルリアリティでの利用に特化したヘッドマウントディスプレイで、注目を集めています。
Oculus Riftはまだ開発途中の製品で一般への販売はされていません。
同様に、対応するアプリケーションも出回っていないのですが、Oculus Riftの開発者サイトには購入した方が制作したアプリケーションが登録されています。
今回は、そのいくつかをダウンロードして、Oculus Riftを体験してみました。
以前、Google CardBoard1.0 やハコスコといった製品を試していたので、Oculus Riftがどういうものであるか分かっているつもりでした。
ですが、実際に体験してみると他の製品とは大きく異なり、本当に違う世界に入り込んだような強い没入感がありました
Oculus Riftの特徴についてあげたいと思います。
ヘッドトラッキングと赤外線カメラ
バーチャルリアリティでは、装着した人の頭の向きや動きに対応して表示する映像が変わります。
Oculus Riftではジャイロセンサーと赤外線カメラを使って、上を向いたり左右を振り向いた時の人の動きを感知しています。
広い視野角
人間の視野は両眼で左右に約120度の広さと言われています。
OcylusRiftはこれに近い110度の視野角を持っています。
これはスキーのゴーグルや水中メガネを装着した時の視野とほぼ同じだそうで、他のヘッドマウントディスプレイで同様の視野角を持っているものはないそうです。
レンズ
半球形のレンズが取り付けられています。
レンズの奥には平面の有機ELディスプレイがありますが、この半球形レンズの作用でディスプレイが湾曲しているように見え、映像がより奥行き感のあるものとなります。
有機ELディスプレイ
人は自分の意図した動きと異なる結果を見せられると「3D酔い」をするのですが、首の振りや動きに追従するためには、ディスプレイには高い追従性が求められます。
そのため、OcylusRiftには反応速度の速い有機ELディスプレイが採用されています。
Oculus Riftで映像を表示する際、ディスプレイには次のような映像が表示されます。
ディスプレイは真ん中で切られて、Oculus Riftの左のレンズには左側の映像、右のレンズには右側の映像が移ります。
この左右の映像は視差を作り出すため、少しづつ画角のずれが映像となっています。
左右の目で、それぞれ画角のずれた映像を見ることで映像を立体的に捉えることができます。
それ以外にもコンテンツ制作をより容易になる特徴があります。
Unityによる開発と他のデバイスとの提携
Unityは3Dゲームを開発する為のゲームエンジンです。
PlayStation、Xbox、Wii、パソコン、スマートフォンなど、多くのプラットフォームに対応していて、比較的容易に3Dゲーム開発を行えるエンジンとして人気の高いシステムです。
また、Unityを利用する事で別のバーチャルリアリティデバイスと組み合わせる事も容易になります。
例えば、指の動きを読み取る事が出来る入力デバイスでLEAP Motionという製品があります。
LEAP Motionは赤外線カメラで手の形と動きを読み取って、コンピューターを操作します。
Oculus RiftとLEAP Motionを組み合わせることで、自分の手でバーチャルリアリティの世界を操作出来るようになり、インタラクティブでより没入感の強いコンテンツを作ることができます。
LEAP Motionにかぎらず、他のデバイスと組み合わせる事でより質の高いバーチャルリアリティを体験できると思いました。
Oculus Riftを体験して考えたこと
いくつかのアプリケーションを体験してみて思った事ですが、Oculus Riftで表現された映像はとても強い没入感で、今までに体験したことのないバーチャルリアリティを実現するデバイスだと思いました。
人間は感覚の多くを視覚に頼っているので、リアルな映像で視覚に訴える事はとても重要です。
しかし、人間は視覚に限らず、聴覚やその他の感覚器を併用して外界からの情報を得ています。
Oculus Riftと他のデバイスと組み合わせることで、利用者に対して感覚的なフィードバックを返したり利用者が圧力や温度で情景を感じたりできれば、より没入感の強いコンテンツが作れるようになるだろうな、と思いました。
また、体験したアプリケーションの中には酷い3D酔いをしてしまうものもありました。
他のデバイスよりも3D酔いを起こしやすいと思うので、どういう状況で利用者に悪影響が出るのか、健康への配慮が今まで以上に必要になってきます。
より良い体験を得られるにはどうすればよいのか、色々考えることが必要な分野だと思いました。
Oculus Rift用のアプリケーションを制作したら、改めてお知らせしたいと思います。
TADASUKE.W
エンジニア