文部科学省の事業で、スーパーサイエンスハイスクールという取り組みがあります。
先日、インタラクションデザインラボのメンバーで、SSHの指定校である神奈川県立神奈川総合産業高等学校に行ってきました。
年に1度、こちらの学校で産学連携の講座を開かせていただいています。
今回の講座について
近年、3Dプリンターの登場で「Makers Movement」や「3Dファブリケーション」などのキーワードを耳にします。
しかし、公立高校で3Dスキャナーや3Dプリンターの導入にはいたっておらず、生徒たちがそれらに触れる機会はなかなか無いと伺いました。
昨年の講座では3Dスキャナーと3Dプリンターを持ち込みましたが、それきりで終わってしまう事がもったいなく思えたため、今回の講座ではそんな特別な機器がなくとも高校生の彼らでも持っているITデバイスでできる、手軽な3Dファブリケーションを体験してもらう事にしました。
スマホで3Dスキャン
人物やオブジェクトを3Dデータ化するには通常3Dスキャナーを使いますが、ちょっと工夫すればデジタルカメラやスマートフォンでも代用できます。
モデルになる生徒をみんなでぐるりと取り囲んで、一斉にスマートフォンで撮影。様々な角度から撮られた写真を元に3Dデータ化しました。
もちろん、こんなやり方でなくても一台のスマートフォンで可能ですが、せっかく大勢いるのでみんなでやってみました。※1
皆、自分自身がデータ化されるという体験に興奮を隠せないようでした。
リアルなマスク作り
次は、デジタルカメラの写真を元に原寸大のリアルなお面を作ります。
3Dプリンターがなければ紙のプリンターで!
正面と左右側面3枚の写真を頭型のポリゴンにマッピングします。
写真に合わせて目鼻口のポリゴンの位置を調整して行くのですが、四苦八苦。ちょっと難しかったかもしれません。※2
比較的ポリゴン数の少ない3Dデータであれば、ちょっと加工してペーパークラフトにできます。
それを学校にある大判プリンターで出力してもらいました。※3
組み立てはもはや3Dパズル並みの難解さ…。
黙々と夢中で作っていましたが、時間内に作りきれない生徒が大半でしたので、半壊した頭部はビニール袋に入れてお持ち帰りいただきました。
決して公園の茂みなどに捨てていかないようにしてほしい。
3Dバーチャルリアリティ
最後は、以前、当ブログでも紹介したOculus Riftに代表されるVRヘッドマウントディスプレイの没入感を体験してもらいました。
これも自分のスマートフォンとダンボール紙で、同じように楽しむことができる事を紹介しました。※4
まとめ
自身が3Dデータになったり、3Dデータが組み立てられる物になったり、最後は3D空間に自分が入ってしまう体験。モノづくりのテーマの裏で、現実とバーチャルを行ったり来たりするような体験を仕掛けてみました。
この経験が彼らの将来につながる何かのきっかけとなってくれたら嬉しく思います。
講座で使用したソフトウェアについて
※1 123DCatch
※2 Paper-Kit
※3 ペパクラデザイナー
※4 Google Cardboard
TADASUKE.W
エンジニア