UDCすみだ(アーバンデザインセンターすみだ)

すみだ 大学のあるまちづくり 未来ビジョン パンフレット

カタログ・パンフレット / Area Branding

「公・民・学」が連携するまちづくり組織として、地域課題の解決に取り組んでいる「UDCすみだ(アーバンデザインセンターすみだ)」。今回は、「UDCすみだ」のリーディングプロジェクトのひとつでもある「すみだ大学のあるまちづくり未来ビジョンの策定」において、「大学のあるまちづくり未来ビジョン(骨子資料)」「パンフレット(骨子版)」「パンフレット(充実版)」を制作しました。

STORY

大学のあるまちづくり 未来ビジョンへの理解を深めてほしい


地域課題の解決に向け、まちに関わるさまざまな団体が連携し、総合的なまちづくりを行う組織が「アーバンデザインセンター(UDC)」です。日本では2006年に第一号となるUDCK(柏の葉アーバンデザインセンター)が設立され、2021年4月に「UDCすみだ」が立ち上げられました。

東京23区で唯一大学がなかった墨田区では、平成20年度に大学誘致を表明。以降「大学のあるまち」の実現に向けて誘致を進め、令和2年4月には、iU情報経営イノベーション専門職大学の開学、令和3年4月には、千葉大学墨田サテライトキャンパスの開設が実現しました。

令和3年度には、国土交通省の補助事業「官民連携まちなか再生推進事業」に採択。地域と2つの大学が協働して、社会のあらゆる課題の解決をめざす、すみだならではの「大学のあるまちづくり」を推進するために、墨田区・大学・区内関係団体等で構成する「UDCすみだ」を中心に「すみだ 大学のあるまちづくり未来ビジョン」の策定を進めていました。

「UDCすみだ」の設立時から、das.メンバーもスタッフとして参加していたこともあり、私たちで「大学のあるまちづくり未来ビジョン(骨子資料)」「パンフレット(骨子版)」「パンフレット(充実版)」を制作させていただきました。

区民にとって、まだなじみの薄い大学のあるまちづくりについて、広く周知していくことが、本プロジェクトの目標でした。


墨田区民のみなさまに、『希望』を持ってもらえるような世界観を表現

最初に取り組んだのが、国交省に提出する骨子資料の作成でした。国土交通省の補助事業「官民連携まちなか再生推進事業」においては、未来ビジョンの策定等が含まれており、未来ビジョンの考え方や構造、行政計画との関連性、策定プロセスを体系的に整理し、提示できる資料を作成しました。

続いて、未来ビジョンの骨子を、区民、地域住民等、対外的に知ってもらい、広めていくためのパンフレット(骨子版)制作を進めていきました。墨田区において、大学のあるまちづくりの取り組みは始まったばかりだったので、具体性のある資料や写真はそろっていない状態でした。未来のことを想像してもらうためには、ビジュアルによる訴求が重要です。そこで、「気になる」「もっと知りたい」と興味関心を抱いてもらえるようなイラスト制作に力を入れました。

まずは墨田区の職員の方にヒアリングを実施。新しい取り組みに対して、「区民の方々に希望を持ってほしい」「まちと大学が広く関わっていることを伝えたい」という意見がありました。

そこで、表紙では期待感を抱いてもらえるような楽しい雰囲気を演出しました。千葉大学とiU情報経営イノベーション専門職大学が関わっている様子や周辺とまちの光景を織り込みました。また、「UDCすみだ」では古民家再生事業に取り組んでおり、古民家のイラストを配したり、実際にある鉄道のイラストを取り入れたり、区民の方が知っているモチーフも採用しています。ほかにも、「すみだ 大学のあるまちづくり未来ビジョン」の目標に掲げているモチーフを散りばめて、今後の可能性や未来への希望を感じられる表紙に仕上げました。




情報を整理し、どんな立場の人たちにも伝わるデザインに


特に力を入れていたのは、情報の整理です。「大学のあるまちづくり未来ビジョン(骨子版)」では、その他の行政との関係性をはじめ、どんな構造・構成なのか、基盤となる情報をいかに分かりやすく伝えらえるかがポイントでした。区民の方に希望を与えるだけでなく、公民学が連携している中で、関係者の方々にもイメージが共有できて、内容を理解できることを意識して制作しました。

「大学のあるまちづくり 未来ビジョンパンフレット(充実版)」では、多大な情報量をどれだけシンプルにできるか。さらに、見やすくなるように何度もレイアウトを調整しました。「パンフレット(骨子版)」は6ページだったのですが、「パンフレット(充実版)」は12ページの冊子で構成。行政(区)の計画との接続を明確にした内容で、公民学と「UDCすみだ」にとって、立ち返ることができる資料としての役割を持たせています。さらに、公民学の連携を創出していく上で、より詳しく説明するシーンでの活用も踏まえて、全体を構成しました。

これまで「UDCすみだ」が制作してきたチラシとの親和性を高められる工夫も取り入れています。「パンフレット(充実版)」は12ページの冊子とフォルダがセットになっています。そこには、「01」から始まる「UDCすみだ」プロジェクトの実績を紹介するチラシも差し込まれることになっていました。デザイントーンの異なるパンフレット、チラシに一体感を高めるために、パンフレット表紙は「00」とナンバリングし、「01」「02」「03」へと続くチラシに連続性のあるストーリーを持たせました。

墨田区にある「すみだ百景」「百花園」「百樹園」にちなんで「100(たくさん)のプロジェクト」の種を蒔き、それが墨田区の歴史・伝統・文化を肥やしとして大きな木として成長し、まちに根ざしていくことを目指していました。そこで、「100」をキーワードに、パンフレットを開いたときに「00」から「100」に見える仕掛けにもこだわって制作しました。


H.TAKEUCHI(コピーライター/プランナー/コンサルタント)

令和5年(2023年)3月12日にUDCすみだに新しいスペースが誕生し、そのオープニングセレモニーで、充実版のパンフレットがお披露目されました。UDCすみだのセンター長が、パンフレットを見せながら、来場者に説明されていたり、国会議員や区議の方々は手にとって見てくれていたり、関係者のみなさまが熱心に読んでいる姿を見られて、とても良かったです。これからの未来を描いたものが、たくさんの人にわたっていくことを体験し、充実感とともに、期待感もふくらみました。今後もUDCすみだに関わっていけたら、うれしいです。


K.NAKANO(グラフィックデザイナー)

このプロジェクトに関わっていたのは、入社1年目のころでした。無我夢中で取り組んでいましたが、デザインを通してUDCすみだに関わる人たちの思いを表現することができて、とても楽しかったです。いまはデザイナーとしての役目を果たせたのかなと、ほっと胸をなでおろしています。まだまだこれから続いていくプロジェクトなので、今後もお力添えできることを願っています。



Voice

墨田区 企画経営室 行政経営担当 主査

飯田 晃英 さん


UDCすみだにとって、墨田区が進める「大学のあるまちづくり」をどうやって区民にわかりやすく伝えるか、また、期待を持ってもらえるかは大きな課題でした。新たに作成したパンフレットは、ワクワクさせる表紙デザインや、洗練された文章構成により、多くの区民に手に取っていただき、認知度向上につながりました。


TEAM

VISION DESIGNER/PLANNER:
H.TAKEUCHI
GRAPHIC DESIGNER/ART DIRECTOR/ILLUSTRATOR:
K.NAKANO

MEMBERS

K.Nakano

Graphic Designer

K.Nakano

H.Takeuchi

Planner

H.Takeuchi

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