日本紙パルプ商事株式会社

自らの価値を再発⾒し、未来へのチャレンジを発想する「OVOL REFINDING WORKSHOP」

ワークショップ / Company Branding

自らの価値を再発⾒し、未来へのチャレンジを発想する「OVOL REFINDING WORKSHOP」

2023年6月〜8月にかけて、自らの事業や商材の価値や可能性に改めて気がつくこと、そして、未来に向けた業界全体でのチャレンジを考えることをテーマに、「OVOL REFINDING WORKSHOP」と題した2回のワークショップが行われました。デジタル・アド・サービスでは、商流や所属する組織、地域といった枠を超え、日本紙パルプ商事様および日本各地の卸商様から若手社員が参加し、実施された2回のワークショップの設計から当日のファシリテーション、実施後のレポーティングまでを継続的にご支援しました。

STORY

1. 2回の「OVOL REFINDING WORKSHOP」


日本紙パルプ商事様は、1845年の創業以来、基幹となる紙・板紙の国内卸売に加え、海外卸売、製紙加工、環境原材料、そして不動産賃貸と事業領域を拡大されてきました。現在は、グループ会社112社、連結従業員4,000名を擁する企業グループ『OVOL』として多角的に事業を展開、コーポレートスローガンとして「Paper, and beyond」を掲げ、社会と地球環境のよりよい未来の実現に向け、変革と挑戦を続けられています。

一方、少子高齢化やデジタル化の進展といった社会的な変化のなかで、紙の需要の底上げは紙流通業界全体が抱える課題となっています。そうしたなかで今回、「紙や紙流通業の持つ価値や可能性とは?」「未来に向けた紙流通業のチャレンジとは?」といった問いに向き合いながら、紙流通業の未来を自由に、豊かに発想するワークショップの機会が企画されました。

<実施概要>
■パート1(2023年6⽉)
テーマ:⽣活者視点で、紙並びに紙流通業の私たちの価値や可能性を再発⾒・再認識する
参加者:日本紙パルプ商事 若手社員(6名)

■パート2(2023年8月)
テーマ:紙流通業(卸商各社・⽇本紙パルプ商事)若⼿社員が未来へのチャレンジをともに考える
参加者:日本紙パルプ商事 若手社員/日本各地の卸商社員(13名)

2.パート1:⽣活者視点で、紙並びに紙流通業の私たちの価値や可能性を再発⾒・再認識する


「⽣活者視点で、紙並びに紙流通業の私たちの価値や可能性を再発⾒・再認識する」をテーマに行われた1回目のワークショップ。フィールドワーク、個人ワーク、グループワークといった複数のワークの組み合わせで、新たな視点、気づきや発⾒を得ながら、紙並びに紙流通業の可能性をともに発想することをポイントにプログラムを設計しました。

<プログラム(抜粋)>
①⽣活者としての私を再認識する
②フィールドワークで、社会、⽣活のなかにある「紙」の存在に意識を向ける
③フィールドワークでの気づきから、紙と社会、⽣活者との関わりとその意味を探る
④社会や⽣活者のなかにある潜在的な願いや欲求/不満や不安を掘り下げる
⑤社会や⽣活者の願いや欲求/不満や不安に対する紙流通業のアプローチを発想する

パート1で特に大事にしたのが、「⽇本紙パルプ商事で仕事をする私」として見る「商材としての紙」から「社会、生活者のなかにある紙」への視点の転換と広がりでした。

そのきっかけとして行ったのがフィールドワークです。参加メンバーは一人ひとり、社会、⽣活のなかにある「紙」の存在に改めて意識を向けながらワークショップ会場周辺を探索。フィールドワークから戻ると、今度はグループで、社会、⽣活者のなかで⾒つけた「紙のあるシーン」を切り口に、紙と社会、⽣活者との関わりにはどんな意味があるのだろう? その背景には社会や⽣活者のどんな願いや欲求/不満や不安があるのだろう? と掘り下げ、仮説立てをしていきました。



社会、⽣活のなかで⾒つけた「紙のあるシーン」を切り口に、ワークを重ねて発想されたのは「社会のよい循環の⼀部でありたい」「豊かさは再発⾒できる」「⾒栄張ったっていいじゃない」といった、表⾯的には⾒えづらかった社会・⽣活者の欲求や願いを表すキーワードの数々。



「商材としての紙」からは少し距離を感じるけれど、紙流通業としてはアプローチできることがきっとある。PART1で発想されたキーワードの数々が、紙流通業が、⽣活者の欲求や願いに対して持ちうる、発揮しうる本質的な価値の再認識、そして、パート2での紙流通業としての未来へのチャレンジの発想へとつながっていきました。

3. パート1からパート2へ


パート1終了後に行ったのは、フィールドワークやグループワークを通じて発想された意⾒やアイデアをより概念的に整理すること、そして、パート2にむけて紙流通業の本質的な価値(⽣活者の欲求や願いに対して、紙流通業が持ちうる、発揮しうること)を言語化すること。

パート1とパート2のインターバル期間に言語化された2つの本質的な価値「リアルな体験を愉しむ⽂化をつくる」「循環型社会のインフラをつくる」が、「紙流通業の未来へのチャレンジを考える」ワークショップ パート2の起点となりました。



4.パート2:紙流通業(卸商各社・⽇本紙パルプ商事)若⼿社員が未来へのチャレンジをともに考える


パート2のテーマは「紙流通業(卸商各社・⽇本紙パルプ商事)若⼿社員が未来へのチャレンジをともに考える」。パート2には、日本紙パルプ商事様だけでなく、日本各地の紙卸商様からも社員さんが参加し、所属や商流、地域を超えて、紙に携わる、同じ紙流通業の仲間として未来のことを考える機会です。

<プログラム(抜粋)>
①事前ワークで、視野を広く、視座を⾼く、視点を遠くへ
②紙流通業の価値が浸透している未来のシーンをスケッチする
③未来のシーンを実現するためのチャレンジを発想する
④チャレンジングなアクションをプレゼンテーションする

パート2で大事にしたのは、「いまの時点でできるか、できないか?」ということではなく、未来の社会や⼈々の⽣活が「どうなっていることが望ましいか? どうありたいか?」という希望や意志を思考、発想の軸とした未来思考。そして、そんな未来に向かっていくために、紙流通業はどんなチャレンジができるのだろうか? これまでの常識や枠を超えて考え、表現できることでした。

そこで、参加者の皆さんには、事前ワークとして未来予測に関する複数の資料を読み込み、気づきを記録してもらうなど、視座を上げ、思考や想像の距離感を伸ばすウォーミングアップをしてもらいました。

ワークショップ当日、時空間を大きく捉えたアウトプットにつなげるために行ったのが「未来のスケッチ」のワークです。紙流通業の価値が浸透している=「リアルな体験を愉しむ⽂化ができている」「循環型社会のインフラができている」未来の社会で、紙がどんなふうに存在しているか? そのシーンを発想して、スケッチを描きました。



ワークショップの集大成として、未来のシーンを実現するための紙流通業のこれまでにないチャレンジングなアクションを発想し「アクション発想シート」にまとめます。



「いまの時点でできるか、できないか?」を超え「こうありたい、こうだといいな」を描いた「未来のスケッチ」からバックキャスティングしつつ、「壁を壊す」「手を組む」「飛び越える」「裏返す」といった切り口から発想された、紙流通業としてこれまでにないチャレンジングな、また、ワクワクするような数々の具体的なアイデアが盛り込まれたシートが完成しました。




5.ワークショップを終えて


パート1のワークショップを経て見い出され、言語化された紙流通業の「本質的な価値」。そして、パート2のワークショップでは「本質的な価値」」を起点に、多様な意⾒が交わされ、これまでにない、チャレンジングなアイデアが発想されました。

参加された皆さんの声、また、オブザーバーとして出席された日本紙パルプ商事 幹部社員様の声を一部ご紹介します。

<参加者の声>

●未来がポジティブな⽅向に変わっていくといいなということを想像しながら考えることができた
●してきた体験が全然違うメンバーと意見をワークをすることで、こんな考えやアイデアがあるのかと刺激を受けた
●紙って、本当はもっと楽しいはず、役に⽴つはずとて思いながらも、仕事に追われて過ごしていたが、こうして話し合ってみると、楽しいはず、役に⽴つはずが、そうだよねと思えるアイデアがたくさんあった
●違う会社の⽅、いろいろなエリアの⽅と業界の未来について話すことは、かなり重要だと思った
●常識を変えていくとか、可能性を探すみたいなことは、こういうふうになってたらいいな、こういうふうにしたいなという軸で考えないと、どうしても⽇々のこととか、まさしく業界の慣習に囚われてしまって、⾃由な発想が⽣まれてこないということを痛感した


<日本紙パルプ商事 幹部社員様>

●⾃分1⼈できることには限りがあると思うれども、こうやって周りの⼒を借りたり、関係者を巻き込むことによって、事業は1歩ずつ進んでいくと感じた
●保守的な業界のなかで、なかなか新しい意⾒というのは、出てこないと思うのが、他の業界が⼤きく変わっているなかで、我々も変わっていかないといけない。今⽇の尖った意⾒を参考にさせていただきながら、業界全体で変わっていこう、というきっかけの会になればと思う
●来るべき未来ではなく、これからつくるべき未来ということで、発想を変えて考えてもらった。皆さん⽅の意⾒を大事にして、何とか実現に向けて、取り組まないといけないと思った


ワークショップが終了して約2ヶ月後の2023年10月27(金)、日本紙パルプ商事様が主宰する「OVOL Bridges 2023 〜The 2nd Paper Merchants Forum〜」が開催されました。日本全国から紙卸商様が参加されるなか、識者によるセミナー、「紙の機能・役割が生み出す価値の再認識」をテーマとしたパネルディスカッション、「紙の価値を広めるための取り組みについて」をテーマとした交流座談会等が行われました。

交流座談会では、ワークショップで発想された「紙の価値を広げていくための未来に向けたチャレンジ」のアイデアもトピックスとして共有され、登壇者の日本各地の紙卸商経営者の方々からも前向きな反応が聞かれました。

自分自身も1人の生活者であるという視点を取り戻し、こうありたいという希望や意志を軸とした未来思考をすること、商流や組織といった枠を超えて対話し、広く社会、⽣活者の豊かな未来に資する価値を考え、追求することが、紙および紙流通業の新たな挑戦への発想を⽣み出し、可能性を拡げていくことにつながるものになるということを実感できるワークショップとなりました。


TEAM

ACCOUNT EXECUTIVE/FACILITATOR:
N.MURATA
PLANNER/FACILITATOR:
T.KAWATA/H.TAKEUCHI

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T.Kawata

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Planner

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